説目

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2022年11月9日水曜日

2022 親睦山行 金峰山 〜その2〜

2021年 社会学部卒 渡邉隆靖

(2日目)
 3:00起床。朝食は各自ということになっており、スープ等飲みたい人は3:00頃から前日と同じテーブルに集合してお湯を沸かし、使わない人は出発時間の4:00に間に合うよう準備をする、という流れになっていた。自分はお湯を使う予定はなかったが、3:20頃様子を見に行くと既に酒井君、網田君、宮内君がテーブルを囲んでお湯を沸かしていた。
 アクシデントはこのとき起こった。突然、酒井君が「熱っ、熱っ!!」と言って後退した。一瞬何が起きたのか分からなかったが、どうやらコッヘルが引っくり返り、沸かしていたお湯が酒井君の腕と下半身にかかってしまったようである。すぐにポリタンクに入っていた水をかけ、手洗い用の水場(貯水タンク蛇口が付いたもの)で冷やしてくるように伝えた。また網田君、宮内君は無事であったようで、状況を聞くと、瞬間的に誰もコッヘルの取っ手を持っていない状況になってしまったため、不安定なテーブルの上で火器ごと引っくり返ってしまったとのことであった。「鍋は両手で、メルヘンに」とは自分の高校山岳部における合言葉であるが、火器の使用中、安全のため鍋やコッヘルは必ず取っ手を持って押さえるよう、あらためて共有した。
 その後酒井君の様子を見に行くと、身体が冷えてきたとのことなので、今度は山小屋の中で濡れタオルで冷やしてもらうとともに、手持ちのオロナイン、救急セットに入っていたガーゼと包帯を渡した。このとき、腕を見ると皮がめくれているのが確認でき、話し合いの末、登山継続は困難と判断。登山隊(近藤、中野、網田、宮内)と別働隊(村岡、酒井、渡邉)に分かれ、行動することとなった。
 4:45登山隊が出発し、別働隊も6:15に富士見平小屋を出発、下山を開始した。

(以下、別働隊活動記録)
 登山隊が出発した後、しばらく別働隊3名は布団に入って身体を休めていた。5:30頃になると酒井君も大分落ち着いてきたようで、本人は「今なら登れる」と言っていたが、やけどを負った身で運動し、傷口が擦れて化膿しても良くないので、予定通り余裕のあるうちに下山することに。荷物や布団を片付けた後、持ってきた行動食で朝食を済ませ、6:15下山開始。
 前半は自分、後半は村岡さんがダブルザックで下る。酒井君も思いの外元気そうで、一安心である。途中何事もなく、6:50瑞牆山荘到着。下山開始当初はこのまま村岡さんの車で帰京し、酒井君には病院に行ってもらう予定であったが、本人も落ち着いており、痛みも引いてきているとのことであったので、再度相談の上、酒井君には悪いが、朝一のバスで韮崎駅まで戻ってもらい、駅周辺のドラックストアで薬を購入、その後適当に時間を潰してもらい、下山後の夕食で皆と合流する流れとなった。なお、その後酒井君から連絡があり、薬局で軽度のやけどとの診断を受けたとのことであった。
 酒井君と別れた後、登山隊の近藤さんに電話で上記の旨伝えたところ、安堵の声とともに「富士見平小屋から1時間ほどの鷹見岩まで登ってみてはどうか」との提案を受ける。もともと富士見平小屋まで登り直すつもりでいたところ、せっかくなので鷹見岩を目指すことに決定。7:20別働隊2名再度登山開始。
 つい先ほど下りてきた道を今度はゆっくりと登っていき、8:10富士見平小屋到着。20分ほどピッチをとり、再出発。40分ほど歩くと分岐が現れ、金峰山山頂とは別方向の鷹見岩を目指すルートに入る。しかし、藪漕ぎとまではいかないものの、あまり通る人がいないのだろうと一目で分かる登山道であり、ジブリ作品感のある木々のトンネルやら鎖場やらを通過して、9:25鷹見岩到着。高度感のある岩場から望む360度の眺望は、想像以上に素晴らしく、これだけで来た甲斐があったと十分に思えるほどであった。20分ほどこの景色を満喫した後、下山開始。
 10:15富士見平小屋到着、そこから2時間半ほどベンチでのんびり過ごす。12:55バスの時刻の関係で、登山隊との合流を待たず一足先に下山開始。もはや慣れた道として、20分ほどで瑞牆山荘到着。バスを待つ間に食べた山荘のソフトクリームは、10月にもかかわらずとても美味しく感じた。

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